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  • ayafujimatsu

職業「ライター」を考える(ライターの定義・ライターになる方法)

年下の方と接しているとたまに、「私もライターになりたいんですが、どうしたらいいですか?」と質問をいただくことがあります。


(ライターって、Webライターのこと?それとも雑誌や書籍のライターのこと?)

とぼんやりクエスチョンマークが浮かぶのですが、質問主が皆、Webメディアでの執筆経験を充分に積んだ方々であり、その上で私に訊ねていることを考えると、おそらく、“プロのライター”イコール「雑誌の制作に携わった経験がある」「物書きで生計を立てている」という漠然としたイメージがあるんじゃないかと思います。


雑誌黄金時代と呼ばれた1980〜1990年代、“赤文字系”・“青文字系”など愛読誌のジャンルがそのまま読み手の属性として世間に認識された2000年代に比べると、雑誌の廃刊・休刊が相次ぐ今、はっきり言って「ライター」という職種は斜陽。2006年には8652億円だった雑誌の売上も、2020年には3582億円と6割減となっています。

ライターとしてキャリアを開始し早10年、現実が身に沁みる中年ともなると、わざわざ斜陽産業に自ら勇んで赴かないでも、とは思うのですが、そういえば私もライターになる方法を模索した時期がありました。

想いを文章に変えること、発信すること、人に届くこと、全部が輝いて見えていたっけ。「好き」こそ生きる原動力。であるならば、斜陽だって激務だって薄給だって、一回は挑戦してみたいよね。


ということで最新の状況とは少し異なるかもしれませんが、今回はライター業に興味のある方に向けて、ライターになる方法や適性をご紹介できたらと思います。なお、本記事には経験に基づく個人的な意見となりますので、あくまでも一つの参考例としてご覧くださいね(ソースはわたし、的な記事です)。




◆ライターの定義

ライターになる方法をご紹介する前に、まずは「ライター」の定義をさせてください。

個人的に考える職業としての「ライター」の定義は以下2つ、

  1. 第三者の目に触れる文章を執筆すること

  2. 文章に対しての報酬が発生すること

です。

ごく私的な関係の「あなた」宛に手紙を書いただけでは公衆性はありませんし、人の目に触れるからと言って神社の絵馬に願い事を書いて吊るしただけでは対価は発生しません。

要するに「書いて」「得る」をワンセットにした職業がライターということです。

とはいえ、自分の得意ジャンルの知識を発信して対価を得るブロガーのような職種もあるにはありますよね。

判別のためにライターの副次的な定義を設けるなら、“ネタが自由に選べない(取引先やクライアントありき)”もひとつの目安と言えるかもしれません。

(版元への売り込みが100%通る売れっ子無双ライターは例外として)



◆ライターになる方法

ライターになる方法は、もちろんひとつではありません。

むしろWebメディアの台頭で、10年前よりも門戸は至るところに開かれています(その分ライバルも多いし、足元を見たギャラ設定のところも多いんだけどね)。

ざっと思いつく限りの方法を書き出すと、以下のような方法に大別できます。

  1. 出版社や雑誌社、編集プロダクションに入社し編集経験を経てから、ライターに転身する

  2. 出版社や雑誌社、編集プロダクションでアルバイト(インターン)する

  3. 執筆実績をためながら、媒体のライター募集に応募する

  4. ライターの養成学校に入学し、紹介してもらう

1から順に説明していきましょう。


1. 出版社や雑誌社、編集プロダクションに入社後、ライターに転身する


出版社や雑誌社、編集プロダクションに入社すると、大体の場合、肩書きはライターではなく、全体の進行を管理する「編集者」となります(編集者とライターの違いは後述しますが、ここではひとまず編集者は「進行役」として認識してください)。そこで編集者としての研鑽を積みながら編集部の人々とコネクションを作っておけば、退職後、フリーランスのライターとして非常に声がかかりやすくなります。

SNSなどのメディアの増加に比例して作り手も増えてきた今、仕事の質を担保できるライターは貴重です。

制作全体のフローや編集部の内部事情を知っている“身内”だとなおさら、心理的に頼みやすいでしょう。


2. 出版社や雑誌社でアルバイト(インターン)する


出版社や雑誌社の編集部ではとにかく常態的に手が足りていないため、アルバイトやインターンへしばしば“このキャプション書いてみる?”とか“これの下訳お願いできる?”的な業務が割り振られることがあります。うまくいけば、編集者があなたに何かしらの適性を見出し、そこから少しずつ業務量を増やしていけるかもしれません。ただし、この段階で必要なのは文章力ではなく、円滑なコミュニケーションや迅速な対応や+αの気遣いです。なぜなら文章のうまい・下手が判別できるほどの業務内容ではないからです。

いきなりライティング業務を始められるのは稀。ライティングを希望する前に“アシスタントとして役に立つ”ように印象付け、その編集者と関係を構築する方が、結果的にスムーズですよ。もちろんその上で、自分の将来の夢や編集部でやりたいことはアピールしておくのがおすすめです(いつどこで、チャンスが回ってくるかわからないからね!)。もし万が一、契約内容の関係でそれ以上のライティング業務ができなくても、経験したことは全て履歴書に記載することができます。


3. 執筆実績をためながら、媒体のライター募集に応募する


出版社や雑誌社、編集プロダクションおよび媒体のWebサイトでは、ライターを募集しているところがしばしばあります(大抵の場合、Webサイトのフッターに小さく掲載されているはず)。募集要項には「◯年以上の執筆経験」や「雑誌・Webメディアの経験」などの記載がありますが、全部が全部、プロとしての経験を求めている訳ではありません。契約するに差し障りない人柄であり、掲載に問題ない文章力であるならば、受け入れてくれるメディアも多くあります。そのためには、文章を綴ってきた実績を自分なりの形で見せることが必要です。ポートフォリオを作っておく意味でも、ブログやオウンドメディアなどで自身の興味のあるテーマを発信しておきましょう。


4. ライターの養成学校に入学し、紹介してもらう


私自身は養成学校に通ったことがないためあまり詳しくありませんが、過去の同僚に2名ほどライター養成学校出身者がいました。うち1名とは美容雑誌の編集部で知り合いましたが「学校に紹介されて入った」と言っていたので、学校とメディアの間で紹介制度を設けているケースもあるようです。

今軽く調べたところ、「クラウドソーシングの案件獲得サポート」「仕事保証期間◯ヶ月」など明記しているスクールもあるようですね。前者はどの程度まで踏み込んで案件獲得をサポートしてくれるのかは分かりませんが、お金に余裕があり、基礎から体系的に学びたい!という方は養成学校という選択肢も検討してみても良いかもしれない、と思います。


以上まで、出版業界経由の「ライターになる方法」をご紹介しました。

と言っても、出版社上がりの編集者やライターがWeb業界へ転向し始めて久しいし、Webメディアでも出版業界上がりの編集者が監修したライティングマニュアルを使っていたりするので、昔よりは境界線が曖昧になってきてはいるのでしょうがね。


長くなってしまったので、「ライターの仕事内容」や「ライターに向いている人」はまた次回に紹介したいと思います。今から韓国料理食べてきます!バイ!

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